目次
1. はじめに
飲食店にとって、「もっとたくさんのお客さまに来てもらいたい」「売上をアップさせたい」というのは、いつの時代も大きなテーマですよね。でも今は、グルメな人たちが気軽に美味しいお店を見つけられる時代。どれだけ料理に自信があっても、それだけではなかなか選ばれにくくなっているのが現実です。
そんな中で注目したいのが、イベントやキャンペーンを活用した集客のアイデア。たとえば、季節に合わせた期間限定メニューを出したり、地域のお祭りとコラボした企画を開催したりといった取り組みは、「行ってみたい!」と思ってもらえるきっかけをつくるのにぴったりなんです。新規のお客さまに知ってもらうチャンスになるのはもちろん、リピーターの来店を促す効果も期待できます。
この記事では、そんな“お店らしさ”を活かした集客方法として、「期間限定フェア」と「地域イベントとの連携」にフォーカス。実際に取り組む際の考え方や進め方、成功したお店の事例なども交えて、わかりやすくご紹介します。
「うちのお店でも何かできそうかも」と思ったら、ぜひヒントを見つけるつもりで読んでみてくださいね。ちょっとした工夫が、お店の新しい流れをつくるきっかけになるかもしれません。
2. 飲食店がイベントを開く意味と、うれしい効果
2-1. イベントがもたらす5つの良いこと
飲食店でイベントを開くと、単に宣伝になるだけでなく、さまざまなうれしい効果が期待できます。ここでは、特に大きな5つのメリットをご紹介します。
売上が伸び、新しいお客さまとの出会いが生まれる
イベントを行うと、いつもよりお客さまが増えることが多いです。特に「期間限定」という言葉には、「今行かないと体験できない」という気持ちを引き出す力があります。これをきっかけに初めて来てくれるお客さまも多く、新しいファン作りにつながります。
お店の知名度が上がり、話題になる
おもしろいイベントは、SNSで広がったり、口コミで話題になったりして、お店の名前がより多くの人に知られるようになります。地域に根ざしたイベントなら、地元のメディアに取り上げられることもあり、宣伝費をかけずに広く知ってもらえるのも魅力です。
常連さんとの絆がもっと深まる
定期的にイベントを行うと、常連さんにとっても「また行きたい理由」ができます。「今度はどんなことをするのかな?」と楽しみにしてもらえるようになり、来店回数も増えやすくなります。イベント中にスタッフとお客さまが直接ふれあう機会も増え、お店とお客さまの関係がより近くなる効果も期待できます。
お客さまが少ない時期の対策になる
季節や曜日によって、どうしてもお客さまが少ない時期がありますよね。そんなときこそイベントが役立ちます。例えば、夏の暑い日に「ビアガーデンフェア」を開いたり、平日の昼間に「特別なランチセット」を出したりと、工夫次第で静かな時間帯もにぎやかになります。
スタッフのやる気アップにもつながる
イベントは、スタッフにとっても良い刺激になります。企画の段階から関わることができれば、自分のアイデアが形になる喜びを感じられますし、うまくいったときの達成感も大きいです。チームで協力することで、お店全体の一体感が生まれることもあります。
2-2. イベントを成功させるための考え方
イベントは「とりあえずやってみる」のではなく、自分たちのお店らしさを活かして、しっかり計画を立ててから実行することが大切です。
お店のコンセプトや客層と合っているかがカギ
いくら魅力的なイベントでも、お店の雰囲気やいつものお客さまとかけ離れていると、うまくいかないことがあります。例えば、落ち着いた雰囲気の高級レストランで、にぎやかな食べ放題を始めたら、常連さんはびっくりしてしまうかもしれません。イベントは「このお店らしさ」を大切にしながら企画しましょう。
「モノ」より「コト」―体験を届ける気持ちで
今の時代、多くの人が「ものを買う」ことよりも「楽しい体験をしたい」と考えています。特に若い世代は、SNSに投稿したくなるような体験を求めているようです。例えば、ただ季節のメニューを出すだけでなく、調理の様子を見せたり、生産者さんの話を聞ける機会を設けたりすることで、心に残るイベントになります。
年間を通じた計画で、もっと効果的に
イベントを「一度きりの企画」で終わらせず、「年間の流れ」の中で考えると、準備も運営もしやすくなります。例えば、「春は〇〇フェア」「秋は△△祭り」のようにシリーズ化すれば、お客さまの記憶にも残りやすくなります。スタッフの負担を分散させたり、仕入れの効率を良くしたりもできるので、経営面でもプラスになります。
3. イベント成功のための計画づくり
3-1. 成功に導く6つのステップ
飲食店でイベントをうまく進めるには、事前の準備がとても大切です。ここでは、イベントを成功に導くための6つのステップをご紹介します。
目的とテーマをしっかり決める
まず、「なぜこのイベントをやるのか?」という目的をはっきりさせましょう。新しいお客さまを増やしたいのか、常連さんに楽しんでもらいたいのか、お客さまが少ない時期の売上を上げたいのか…など、目的によって内容や宣伝の仕方も変わってきます。 また、お店の雰囲気や料理に合ったテーマにすることも大切です。例えば、イタリアンレストランなら「秋の収穫祭」、カフェなら「読書とスイーツを楽しむ一週間」など、お店の“らしさ”が伝わる内容にしましょう。
お客さま像を具体的に思い描く
どんな人に来てほしいイベントなのかを、できるだけ細かくイメージします。例えば「近くに住む30代の子育て中の女性で、SNSをよく使う人」というように。ターゲットがはっきりすると、イベントの内容や伝え方もグッと決めやすくなります。
時期と期間をしっかり考える
いつ開催するかも大切です。忙しい時期と重なると大変ですし、お客さまが少ない時期をうまく使うことで効果が出やすくなります。 また、期間があまり短いと告知が間に合わず、長すぎると新鮮味が薄れることも。一般的には2週間〜1ヶ月ほどがちょうど良いとされています。地域のイベントと合わせたり、季節感を活かしたりするのもおすすめです。
予算と利益のバランスを考える
特別なメニューや飾り付けなど、イベントには普段よりお金がかかることがあります。食材費やチラシ代、人件費などをしっかり計算し、「どれくらいの売上が見込めるか」も合わせて考えておきましょう。 利益が少なくても、新しいお客さまとの出会いや話題作りといった“未来への投資”も大切なポイントです。
役割分担でチームワークを整える
イベントをうまく進めるには、スタッフ同士の協力が欠かせません。誰が何を担当するかを事前に決めておくと、当日スムーズに動けます。 例えば
-
- 全体のまとめ役
- SNSや予約受付などの広報担当
- 食材の仕入れ・在庫管理担当
- 当日の進行・接客担当
- 写真撮影やお客さまアンケートの担当 など 小さなお店では一人がいくつかの役割を兼ねることもありますが、「誰が何をするか」をはっきりさせておくと安心です。
成果を測るための“ものさし”を用意する
イベントがどれくらい効果があったかを知るために、あらかじめ「成果の測り方」を決めておきましょう。 例えば
-
- 来店者数(いつもより増えたか)
- 売上(客単価アップにつながったか)
- 新しいお客さまの数
- SNSでどれだけ話題になったか
- アンケートでの満足度や「また来たい」と答えた人の割合 など 数字で振り返ることで、次のイベントにも活かせます。
3-2. イベント開催時の注意点とリスク対策
イベントを成功させるには、良いアイデアだけでなく、起こりそうなトラブルをあらかじめ考えておくこともとても大切です。ここでは、よくある注意点とその対策をまとめました。
忙しい時期との重なりに注意
年末年始やゴールデンウィーク、お盆などは、普段から忙しい時期です。こうした時期にイベントを重ねてしまうと、スタッフの負担がとても大きくなり、サービスが行き届かなくなるかもしれません。 また、お客さまも予約が取りにくくなったり、ゆっくり過ごせなかったりして、満足度が下がってしまうことも考えられます。 できれば、普段少し落ち着いている時期を選んで、イベントでにぎわいを作り出すのがおすすめです。
どうしても忙しい時期にイベントを行う場合は、通常の営業とイベントの時間帯を分けたり、メニューを絞ったりするなど、負担を調整する工夫が必要です。
スタッフへの情報共有・事前の研修を忘れずに
イベント中は、いつもとは違うメニューやサービスを提供することも多くなります。そのため、スタッフ全員にきちんと内容を伝え、当日の動き方や接客のポイントを確認しておくことが大切です。 特に意識したいのは:
-
- イベントの目的やねらい
- 特別なメニューの内容とおすすめポイント
- 当日の流れや役割分担
- お客さまからよく聞かれそうな質問とその答え
- 万が一トラブルが起きたときの対応方法 事前にミーティングを開いて話し合ったり、当日の朝に簡単な打ち合わせをしたりして、みんなが同じ方向を向いて準備できると安心です。
費用と利益のバランスを考える
イベントでは、つい飾り付けや特別なメニューに力を入れすぎて、気づけば予算を超えていた…なんてこともあり得ます。 話題性や見た目も大事ですが、「ちゃんと利益が残るかどうか」も忘れずに考えましょう。 例えば:
-
- 限定メニューは原価率をしっかり確認する
- 飾り付けや小物は再利用できるものを選ぶ
- SNS広告など、宣伝費は費用対効果を意識する
- 人件費の増加をできるだけ抑える工夫をする 「どこにお金をかけて、どこを抑えるか」をあらかじめ決めておくことで、無理なくイベントを実行できます。
もしもの事態を考えておく
イベント当日は、思いがけないことが起こるものです。あらかじめいくつかの“想定外”を考えておくと、当日も慌てず対応できます。 例えば…
-
- 予想以上にお客さまがたくさん来たとき
- 材料が途中で足りなくなったとき
- 天気が悪くて屋外のイベントができないとき
- 機材が動かない・壊れるなどのトラブルがあったとき
- 急なキャンセルが出たとき こうした場面に備えて「代わりのメニュー」「屋内でできるプラン」「応急対応のルール」などを用意しておくと安心です。
集客の“予想外”にも備えておく
イベントをしても思ったほどお客さまが来ない、ということもあります。 特に初めて開催する場合は、予想が外れるのはよくあることです。 そんなときは…
-
- SNS広告や告知をもう少し強化してみる
- 来店特典を用意する
- 常連さんに声をかけてお知らせする
- イベントの内容を少し分かりやすく工夫する 逆に、予想以上に混み合った場合は、スタッフの配置を増やしたり、待ち時間の案内を丁寧にしたりして、なるべく不満が出ないように対応しましょう。
イベントは「準備」が8割と言われます。 思い通りにいかないこともあるかもしれませんが、しっかり備えておけば、たいていのことは乗り越えられます。
次の章では、実際に効果が出やすい「期間限定フェア」のアイデアや工夫について、もっと具体的に見ていきましょう。
4. 期間限定フェアの企画と実施
4-1. 期間限定フェアの種類と特徴
期間限定フェアは、飲食店の集客アップにぴったりの取り組みです。「今しか体験できない」という特別感が、お客さまの「行ってみよう」という気持ちを後押しします。ここでは、代表的なフェアの種類と、それぞれの特徴をご紹介します。
季節の食材を使ったメニューフェア
春の山菜や桜を使った料理、夏の冷たいパスタやビアガーデン、秋の栗や松茸、冬の鍋料理や牡蠣など、旬の食材を活かしたメニューは、お客さまにも喜ばれやすいです。季節感が伝わる料理はSNSでも見栄えがしますし、食材がたくさん出回る時期は仕入れコストも抑えられます。実際に「春の山菜フェア」を行ったイタリアンレストランでは、ふだんより2割近く売上が伸びたという例もあります。
記念日やイベントに合わせた特別フェア
バレンタインデー、母の日、クリスマスなど、行事のある時期はお客さまの「何か特別なことをしたい」という気持ちが高まるタイミングです。そんな日にぴったりの特別メニューやコース料理を用意すれば、ふだんより少し贅沢を楽しみたいお客さまの期待に応えられます。カップル向けのコースやプレゼント付きランチなどは、SNSでの話題にもなりやすく、告知効果も高まります。
創業記念や周年のお祝いフェア
お店のオープン記念日や10周年といった節目は、日頃の感謝の気持ちを伝える良い機会です。「10周年ありがとうフェア」と題して、人気メニューを特別価格で提供したり、創業当時のメニューを復刻したりと、お店ならではの物語を交えた企画がぴったりです。お店を長く支えてくれた常連さんにも喜んでもらえますし、新しいお客さまにも「応援したくなるお店」として印象づけられます。
お店同士のコラボフェア
近くのパン屋さんやコーヒー店、地元のクラフトビール工房など、他のお店と協力すると、いつもとは違うワクワク感を演出できます。異なる業種のお店が組むことで、それぞれのお客さまに新しい出会いを届けるチャンスも生まれます。お互いのSNSで紹介し合えば、宣伝効果もぐんとアップします。
体験型フェア(料理教室やワークショップ)
食べるだけでなく「体験する」イベントも人気です。シェフが教える料理教室や、ソムリエと一緒にワインを味わう会など、お客さまとの距離が近くなる時間を作ることで、記憶に残りやすく、また来てもらうきっかけにもなります。参加費が少し高めでも「楽しかった」「また来たい」と思ってもらえるような、満足度の高いイベントになるでしょう。
これらのフェアは単独でも効果がありますが、組み合わせることで魅力がさらに増します。例えば「10周年記念×地元コラボフェア」のように、複数の要素を組み合わせれば、より多くのお客さまの心に響くイベントになります。
4-2. 「売れる」期間限定フェアの企画ポイント
ただ期間を決めるだけでなく、「行ってみたい」とお客さまに思わせる工夫があるかどうかが成功のカギです。ここでは、魅力的なフェアを作るための大事なポイントをご紹介します。
「限定」の響きをうまく使う
フェアの名前には、「期間限定」「数量限定」「今年だけ」といった言葉をうまく盛り込みましょう。例えば「今週だけ!春の桜スイーツフェア(50食限定)」のような表現は、お客さまの目を引きます。「あと〇日」「残り〇食」といったカウントダウン形式の告知も効果的です。ただし、実際の数とあまりにも違う表現は、信頼を損ねてしまうので注意が必要です。
SNSで「映える」工夫をする
見た目にこだわった盛り付けや、季節感のある飾り付けは「写真を撮りたくなる」仕掛けになります。紅葉フェアなら赤やオレンジを意識した料理に、夏祭りフェアなら風鈴や提灯などを取り入れると雰囲気が出ます。専用のハッシュタグを作ったり、投稿すると次回使える特典がもらえる仕組みを作るのもおすすめです。
価格と原価のバランスを考える
限定メニューは特別感を出したいために高級な食材を使いがちですが、きちんと利益を出すことも大切です。
-
- 目玉商品は価格を抑えて集客用に
- 付加価値の高い商品は高めの価格で利益を確保
- セットメニューで客単価アップを狙う という考え方で組み立てましょう。例えば「松茸ご飯(原価は高めでも価格は控えめに)」+「松茸と黒毛和牛のすき焼き(高単価で利益を確保)」のような組み合わせが効果的です。
気軽に試せるメニューも用意する
新しいお客さまを呼び込みたいときは、価格やボリュームで「気軽に試せる」メニューを用意すると安心です。ハーフサイズやワンコイン(500円)メニュー、写真付きで分かりやすい説明など、お客さまの不安を減らす工夫が大切です。
セット販売やおすすめ提案で満足感を高める
単品だけでなく、「選べる前菜+メイン+ドリンク」のようなセットメニューや、「この料理にはこのお酒が合いますよ」といった提案ができると、お客さまの満足感と売上が同時にアップします。スタッフへの情報共有も忘れずに。「ひと言」でお客さまの体験はぐんと良くなります。
こうした工夫を組み合わせることで、売上とお客さまの満足度をどちらも高めることができます。次は、これらのフェアをどう広めていくか、宣伝の工夫を見ていきましょう。
4-3. 期間限定フェアの効果的な宣伝・集客方法
どんなに魅力的なフェアを企画しても、お客さまに知ってもらえなければ来店にはつながりません。ここでは、フェアの情報をうまく広め、集客につなげるためのポイントをご紹介します。
SNSを使った早めの情報発信がカギ
フェアの開始2〜3週間前から、SNSでの情報発信を始めましょう。期待感を高める「ティザー投稿」(開発中の料理や食材の一部を少しだけ見せる投稿)、カウントダウン形式の投稿、きれいな写真や動画など、見た目に訴える内容が効果的です。InstagramやFacebookのストーリー機能で準備の様子をこまめに発信すると、親近感を持ってもらいやすくなります。
また、専用のハッシュタグを作って投稿を集めたり、「このハッシュタグで投稿するとドリンク1杯無料」などの特典をつけると、情報が広がりやすくなります。投稿する時間帯も意識して、ランチ前の時間帯(12時前後)や夕方(19時〜21時)など、SNSの利用が多い時間を狙いましょう。
予約特典で来店を後押し
フェア開始前に予約を集めておくと、準備や人員配置の面でも安心です。
-
- 「〇月〇日までのご予約で10%オフ」
- 「ご予約いただいた方に限定ドリンクをサービス」
- 「人気の窓際席を予約優先でご案内」
- 「フェアのテーマに合わせた記念品をプレゼント」 など、思わず予約したくなるような仕掛けを用意しましょう。 「先着〇名様限定」としておくと、さらに行動を促せます。電話予約のほか、SNSのダイレクトメッセージや予約フォーム、LINEなど、複数の予約窓口を用意すると便利です。
店内でのアピールも忘れずに
実際に来店したお客さまにも、しっかりフェアの魅力を伝えるための工夫が大切です。
-
- 入口やレジ横にポスターやPOPを置く
- テーブルの上に専用メニューやお知らせを置く
- 店内の飾り付けをフェアのテーマに合わせて演出する メニュー表には「期間限定」「あと〇日」といった言葉を目立つように書き添えると、お客さまの関心を引きやすくなります。
常連さんには特別なご案内を
いつも来てくれるお客さまには、少し特別な案内を届けましょう。
-
- メールマガジンやLINEで先行告知をする
- 会員限定の先行予約を受け付ける
- 「以前のフェアに参加してくださった方は10%オフ」などの再来店特典を用意する 過去の来店履歴などをもとに、お客さまごとに興味を引きそうな内容を案内できると、効果はさらに高まります。
外部メディアとの連携も活用する
お店のSNSだけでなく、外部のメディアも積極的に活用しましょう。
-
- 食べログやホットペッパーなどのグルメサイトでクーポンを掲載する
- 地元の情報誌やフリーペーパーに情報を投稿する
- 観光案内所や近隣のホテルにチラシを置いてもらう
- 周辺の施設や会社にポスターを掲示してもらうようお願いする 観光地であれば、観光ガイドブックや旅行サイトなどと連携するのもおすすめです。
これらの方法をいくつか組み合わせて活用することで、フェアの存在を多くの人に知ってもらえます。次は、実際に成功したフェアの事例を見ていきましょう。
4-4. 期間限定フェア成功事例3選
ここでは、期間限定フェアで大きな成果を上げた3つのお店をご紹介します。それぞれに、成功のヒントがたくさん詰まっています。
事例① 初夏の枝豆フェア(居酒屋チェーン)
枝豆という身近な食材をテーマにしたフェアで、全国の珍しい品種を取り寄せ、10種類以上の調理法で提供しました。「枝豆の食べ比べセット」や「#枝豆10種類制覇チャレンジ」といった、お客さまが参加して楽しめる企画も取り入れました。 さらに、枝豆に合うクラフトビールや地酒を一緒に提案することで、客単価もアップ。SNS映えする盛り付けで投稿も多く、売上は通常の月と比べて20%も増えたそうです。
事例② 地産地消フェア(イタリアンレストラン)
地元の生産者さんと毎月協力し、その月の主役となる食材を使った特別メニューを展開。生産者さんを招いたミニトークイベントや、店内に生産者さんの顔写真付き紹介POPを飾るなどして好評を得ました。 「地元のために頑張っているお店」というイメージが定着し、地域のメディアにも多く取り上げられました。リピーターも増え、地元との信頼関係づくりにもつながった成功例です。
事例③ インスタ映えスイーツフェア(都内カフェ)
春の桜シーズンに、苺や桜を使ったピンク色のスイーツをたくさんそろえたフェアを開催。写真撮影用のスポットやフォトフレームも用意し、お客さまが撮影してSNSに投稿したくなるような仕掛けを充実させました。 投稿には専用のハッシュタグを付けてもらうルールを作り、投稿してくれた方には次回来店時に使える特典をプレゼント。人気のインスタグラマーに依頼した投稿も話題となり、フェア期間中のSNS投稿数は通常の3倍にもなったそうです。新しいお客さまの来店にもつながりました。
これらの事例に共通しているのは、「テーマに一貫性があり、参加したくなる仕掛けがある」ということです。そして、ただ限定メニューを出すだけでなく、体験・物語・SNSとの連携など、企画に広がりを持たせている点もポイントです。 自分のお店の強みや地域の特性に合わせて、取り入れられる部分を見つけてみましょう。
5. 地域のお祭り・イベントとの連携策
地域のお祭りやイベントとお店を連携させることで、目先の集客だけでなく、長い目で見た信頼づくりにもつながります。ここではそのメリットや具体的なやり方をご紹介します。
5-1. 地域と連携するメリットと長期的な効果
地域の人に「顔」を覚えてもらえる
地元のお祭りやイベントに参加すると、地域の人たちに「あ、このお店知ってる!」と覚えてもらいやすくなります。特に新しくオープンしたお店や、少し分かりにくい場所にあるお店にとっては、大きなきっかけになります。例えば、商店街の夏祭りに屋台を出したり、学校の行事に協賛したりするだけでも、お店の認知度と親近感がぐっと高まります。
普段使いしてくれるお客さまを増やせる
イベントをきっかけに来てくれた地元の方が、「また行ってみよう」と普段も利用してくれるようになれば、リピーター獲得につながります。特に近くに住んでいる人や働いている人は、安定した来店が見込める貴重なお客さまです。地域での“信頼”を積み重ねることが大切です。
観光客に「地域らしさ」を伝えるチャンスになる
大きなお祭りや観光イベントでは、遠方から来たお客さまにもお店を知ってもらう良い機会です。例えば地元の特産品を使ったメニューを用意すれば、「この地域でしか食べられない味」として注目されやすく、SNSでの拡散も期待できます。
「地域ブランド」の一員として信頼がアップする
「〇〇エリアといえばこのお店」と言われるようになれば、お店のブランド力もぐっと高まります。地元の食材や伝統料理を取り入れたメニューを出すことで、地域とのつながりをアピールできます。行政や地元のメディアからも注目されやすくなるでしょう。
お店同士のつながりができる
イベントへの参加は、近くのお店や他の業種の人たちとつながるチャンスでもあります。そこから新しいコラボメニューが生まれたり、イベントを一緒に企画したりと、新たな展開も生まれやすくなります。いざというときの支え合いにもつながる「地域の仲間づくり」としても大切です。
5-2. 地域イベントに参加する具体的な方法
地元のお祭りやマルシェに出店するには?
-
- メニューは「食べ歩きしやすいもの」「簡単に提供できるもの」に工夫する
- 看板やのぼりで遠くからでも目立つようにする
- 実物のサンプルや調理の実演で注目を集める
- お店のカードや次回使えるクーポンを配って、お店への来店につなげる
- SNSに投稿したくなる「記念撮影コーナー」を用意する 準備段階では、衛生面や必要な設備、人員の確保、キャッシュレス決済への対応なども忘れずに。出店中は積極的にお客さまに声をかけることも大切です。
商店街のイベントに参加するときは?
-
- スタンプラリーや共同セールにただ参加するだけでなく、企画にも意見を出してみる
- お店の前でちょっとした試食会やワークショップを開いて人を集める
- 他のお店と一緒に使える共通クーポンを発行する
- 本屋さんや雑貨屋さんなど、相性の良い業種のお店とお互いに紹介しあう仕組みを作る イベントの成功には「自分のお店の利益」だけでなく、「商店街全体の盛り上がり」を意識した参加姿勢が重要です。
地域食材を活かした限定メニューの開発も効果的
-
- 地元の農家さんや漁師さんの名前を出して食材を紹介することで、信頼感を高める
- 郷土料理をアレンジして、お店のスタイルに合わせた“ご当地メニュー”を考える
- 地域の名所や地名にちなんだネーミングで、親しみやすさや話題性を出す 「ここでしか食べられない」という限定感が、リピーターや観光客の心に響きます。
地域の団体・学校とのつながりも大切に
-
- 学園祭やスポーツ大会などに、料理の提供や技術協力で参加する
- 地元アーティストの作品展示や演奏会など、文化的な活動を支援する
- 地域の清掃活動やボランティアに参加して、「地域を大切にするお店」として認識してもらう こうした活動は、短期的な利益にはすぐにつながらなくても、お店の評判や信頼感を大きく育ててくれます。
自分のお店でできる「地域とのつながりイベント」もおすすめ
-
- 農家さんや漁師さんを招いての食材講座や料理教室を開く
- 地元の歴史や文化を語るトークイベントを開催する
- 地元の子どもたちに向けた料理体験や、季節の行事に合わせたワークショップを行う まずは小さなイベントから始めて、地域の方に喜んでもらえる経験を積み重ねていきましょう。
次は、こうしたイベントをどう広めて集客につなげるか、告知・宣伝の工夫をご紹介します。
6. イベント後のフォローと効果測定
イベントが終わった後の振り返りや、お客さまとの関係づくりは、次の集客につながる大切なステップです。ここでは、効果を測るポイントや、また来てもらうための方法をご紹介します。
6-1. イベント効果の正しい測り方
「なんとなくにぎわっていた気がする」だけではもったいないです!次の企画につなげるためにも、数値やお客さまの声をもとに、しっかり分析しましょう。
売上や来客数だけじゃない、注目したい5つの指標
-
- 新しいお客さまの割合:初めて来てくれた方がどれくらいいたか。予約時の情報やアンケートで把握できます。
- リピート率:イベント後にもう一度来てくれた人の数。会員制度があれば追いやすくなります。
- 客単価の変化:イベントの前後で、一人あたりのお客さまの注文金額に変化があったかを確認します。
- 混雑した時間帯の変化:これまで空いていた曜日や時間帯にお客さまが増えたかを見ることで、集客の幅が広がったかどうかが分かります。
- 注文内容の変化:普段あまり出ない商品が出たり、人気メニューが変わったりしたかなどをチェックします。 こうしたデータは、イベントごとに記録しておくと傾向が見えてきて、次の作戦を立てるのに役立ちます。
お客さまの声を集める方法
-
- 簡単なアンケート:来店時や会計時にQRコード付きのアンケート用紙を渡すと、お客さまはスマートフォンから手軽に答えてくれます。
- 特典付きで回収率アップ:答えてくれた方に「次回ドリンク1杯無料」などの特典をつけると、回答率も高くなります。
- スタッフからのヒアリング:接客中にお客さまから聞いた感想は、メモや日報でチーム内に共有しましょう。
- 常連さんにはじっくりインタビュー:時間があるときに、常連さんの本音をじっくり聞いてみるのもおすすめです。
SNSの反応も立派な評価材料!
-
- ハッシュタグ付きの投稿数やコメント数をチェックします。
- どのメニューや場面がよく投稿されているかを見て、人気の傾向をつかみます。
- インスタグラマーや地元のインフルエンサーの反応も確認しましょう。
来店データを活用してリピートを分析
-
- 会員証やポイントカードで来店履歴を追えるとベストです。
- 予約時に「以前ご来店されたことはありますか?」と聞いて、新しいお客さまかリピーターかを把握します。
- 配布したクーポンがどれくらい使われたかも、再来店の手がかりになります。
費用に対して、どれだけ効果があったかを計算
-
- 単純なROI(投資対効果)は、(売上 − 費用)÷ 費用 × 100% で計算できます。
- イベント当日だけでなく、その後の売上も含めて考えましょう。
- メディア掲載やSNSの投稿など、広告として考えると「いくら分の価値があったか」を見積もることもできます。 すべての数字を追う必要はありません。大事なのは「次に活かせるかどうか」です。自分たちのお店にとって一番意味のある指標を決めて、そこに集中しましょう。
6-2. イベント後のリピーターづくり
せっかくイベントで出会えたお客さま。「また来たい!」と思ってもらえるように、終わった後のフォローを大切にしましょう。
イベント後のあたたかいアプローチ
-
- SNSやLINEでお礼のメッセージ:「ご来店ありがとうございました」と感謝の気持ちを伝えましょう。イベント中の写真などを添えると喜ばれます。
- 次回使える特典をプレゼント:「1ヶ月以内のご来店でドリンクサービス」など、また来てもらうきっかけを作ります。
- イベントの様子をSNSで共有:お客さまが写っている写真は、タグ付けしても大丈夫そうならリポストするのも良いでしょう。
- 人気だったメニューを定番化:「あの限定メニュー、また食べたい!」という声に応えると、次の来店につながることがあります。
次のイベントにつなげる仕掛け
-
- 「次は〇月にこんな企画を予定しています」と、先に告知しておきます。
- 前回参加してくれた方限定の「優先予約枠」や「先行案内」で特別感を演出します。
- 季節をテーマにしたシリーズ企画で、継続的な参加を促します。
- 「次にどんなメニューを食べてみたいですか?」とお客さまにリクエストを募って、その声を企画に反映させます。
お客さまの情報を上手に活かすには?
-
- 予約時や来店時に、さりげなくお名前や連絡先を確認します(無理に聞かないのがポイントです)。
- 手書きの名簿やエクセルでも大丈夫です。余裕があれば顧客管理システム(CRM)の導入も検討してみましょう。
- お客さまの好みや来店頻度でグループ分けして、それぞれに合った情報や特典を送ると効果的です。
「このお店にまた行きたい」と思ってもらう工夫
-
- お客さまの名前や好みを覚えて声をかけるだけでも、特別感がアップします。
- 来店回数でステータスが上がる仕組み(例:ブロンズ会員→シルバー会員→ゴールド会員など)を作ります。
- 常連さんだけの裏メニューや、限定イベントへの招待をします。
- 誕生日や記念日にメッセージやささやかなサービスを添えて、感動体験を届けましょう。
SNSで「つながり」を育てていく
-
- イベント後も、普段の店内の風景や料理、スタッフの様子などを発信します。
- コメントには必ず返信し、「気軽に話せるお店」だと感じてもらいましょう。
- お客さまの投稿をリポストして「ありがとう」の気持ちを伝えます。
- フォロワー限定の情報や特典で「フォローしていてよかった」と思わせましょう。
こうしたフォローを積み重ねていくことで、「一度来て終わり」ではなく、「また行きたい、応援したい」と思ってもらえる関係が生まれます。
次の章では、こうしたイベントを年間を通してどう企画・運営していくか、計画の立て方をご紹介します。
→あわせてチェック!飲食店がイベントで地域集客を成功させる秘訣
7. 年間イベント計画の立て方
イベントを思いつきで行うよりも、1年を見通した計画を立てることで、準備もスムーズになり、集客のチャンスもぐんと広がります。ここでは、年間イベントカレンダーの作り方や、飲食店のタイプ別におすすめの企画をご紹介します。
7-1. 年間イベントカレンダーを作ろう
季節ごとの定番イベントを押さえる
-
- 春(3〜5月):桜、新生活、山菜フェアなど。歓迎会やお花見をテーマにするのもおすすめです。
- 夏(6〜8月):冷たい料理やビアガーデン、夏祭りに合わせた企画。お子さま向けのイベントも良いでしょう。
- 秋(9〜11月):キノコ、栗、芋など秋の味覚を使ったフェア。ハロウィンも人気です。
- 冬(12〜2月):クリスマスやお正月、バレンタインなどイベントが盛りだくさん。鍋料理や温かいスイーツも好評です。 すべての月に同じ規模のイベントを詰め込む必要はありません。大きなイベントは年に2回、中規模のものは季節ごとに1回程度、小さなキャンペーンは必要に応じて…というように、バランスを見ながら計画しましょう。
「ヒマな時期」を狙って活性化!
-
- 一般的に1月・2月・6月・9月は来店者数が減りやすい傾向があります。
- この時期に「限定〇食フェア」「平日だけの特典」など、気軽に参加できるお得な企画を入れると良いでしょう。
- スタッフのトレーニング期間や新メニューのお試し期間として活用するのもおすすめです。
地域イベントとの連携も忘れずに
-
- 商店街のお祭りや地元のマルシェなど、地域の行事カレンダーを早めにチェックしましょう。
- 直接出店する「参加型」も、自分のお店で関連メニューを提供する「連動型」も効果的です。
- 人気のイベントへの出店申し込みは早い時期に締め切られることがあるため、1年の初めに仮のスケジュールを組んでおくと安心です。
スタッフのスケジュールと無理のない設計を
-
- 大きなイベントの前にはしっかり準備の時間を、後には休息の時間を確保しましょう。
- 夏季休暇や年末年始など、スタッフの休み希望と重ならないように注意が必要です。
- イベントを詰め込みすぎず、余裕を持ったスケジュールを組みましょう。 計画はオーナーや店長だけで決めず、現場のスタッフの声も取り入れると、実行しやすくなります。
準備と告知はいつから?
-
- 小さなフェア:準備2週間前くらいから始め、告知は1週間前くらいから
- 中規模の企画:準備1ヶ月前くらいから始め、告知は2週間前くらいから
- 大型イベント:準備2〜3ヶ月前くらいから始め、告知は1ヶ月前くらいから 段階的に「予告 → 内容公開 → カウントダウン」と情報を出していくと、お客さまの期待感が高まります。店内のPOP、SNS、地域の情報媒体なども組み合わせて上手に知らせましょう。 カレンダーは「準備開始日」「告知開始日」「イベント実施期間」「振り返り期間」の4項目を並べて書くと管理しやすくなります。スタッフ全員で共有し、進み具合もこまめにチェックしましょう。
7-2. 店舗タイプ別・おすすめイベント集
お店の業態によって、合うイベントも変わってきます。ここでは、代表的な飲食店のタイプ別に人気の企画例をご紹介します。
【カフェ・スイーツ店向け】
・いちごや桃、栗など、季節の果物をテーマにしたスイーツフェア
・地元アーティストや人気キャラクターとのコラボカフェ
・ラテアート教室や焼き菓子作りのワークショップ
・朝活(モーニングセット+ヨガ体験)、ナイトカフェ(お酒も提供)など、時間帯を活かした企画
【居酒屋・バー向け】
・クラフトビールや日本酒の飲み比べイベント
・サッカーや野球などのスポーツ観戦ナイト
・ジャズライブやマジックショーなどのミニパフォーマンス
・業界交流会や趣味のイベントなど、出会いのきっかけになる企画
・新作メニューの試食会&意見交換イベント
【レストラン・ダイニング向け】
・シェフが目の前で料理を仕上げる「シェフズテーブル」
・産地直送フェアや、地方の食材を使ったコースメニュー
・ソムリエが選ぶペアリングディナー(ワイン・日本酒・ノンアルコール)
・ゲストシェフを招いてのコラボイベント
・記念日専用のアニバーサリープラン
【テイクアウト・デリバリー強化型】
・お花見や紅葉の時期に合わせた「季節の特製弁当」
・年末年始の「ホームパーティーセット」や「おせち料理」
・自宅で簡単に仕上げられる「料理キット」の販売
・デリバリー専用メニューや、再加熱してもおいしい工夫
・月額制の「おかず定期便」などのサブスクリプションサービス
【小さなお店でもできる!低コスト企画】
・SNSでの「アンバサダー制度(常連さんに応援してもらう仕組み)」
・クイズナイトやボードゲーム大会などの参加型イベント
・「この時間だけの限定メニュー」で差別化するハッピーアワー
・スタンプカードの期間限定キャンペーン
・お客さまのアイデアを取り入れた「メニュー総選挙」
大切なのは、無理をせず“自分のお店らしさ”を活かすことです。イベントをきっかけに、お客さまとの距離が近くなるような仕掛けを少しずつ積み重ねていきましょう。
次の章では、こうしたイベントを活用した具体的な売上アップのポイントについて、実践的なアドバイスをご紹介します。
8. イベント活用による集客・売上アップの実践的アドバイス
イベントをただ開催するだけでは、大きな効果は期待できません。ここでは、実際の集客や売上アップにつなげるために押さえておきたい、7つのポイントをご紹介します。
8-1. イベント成功のための7つのポイント
目的とゴールをはっきりさせる
-
- 「売上〇円アップ」「新しいお客さま〇人獲得」「SNS投稿〇件」など、具体的な目標を設定しましょう。
- スタッフ全員で目標を共有して、達成へ向けて一体感を持つことも大切です。
- 売上だけでなく「SNSでの話題性」や「リピーターの増加」など、複数の視点から評価できるようにすると、効果が見えやすくなります。
ターゲットを絞って、しっかり届く内容にする
-
- 「誰に来てほしいか?」を明確にすることが第一歩です。
- 30代の女性でしょうか?子育て中のご家族でしょうか?あるいはビジネスマンでしょうか?来てほしいお客さまの姿をはっきりさせましょう。
- そのターゲット層が「行きたくなる」ようなメニュー、雰囲気、価格、そして告知方法を選ぶことがポイントです。
「ここだけ・今だけ」の特別感を演出する
-
- 「期間限定」「先着〇名様」「このお店だけ」など、限定感のある言葉は、お客さまの行動を後押しします。
- 普段は出さない裏メニューや、シェフと一緒に何かを体験できるような特別な企画もおすすめです。
- その特別感をPOPやSNSの画像などで視覚的に伝えると、より心に響きます。
利益も考えた価格設定にする
-
- 限定メニューやセットメニューの価格は、客単価を上げるチャンスでもあります。
- 「特別な体験」に見合った価格を設定すれば、お客さまも納得感を持ってくれます。
- お得にしすぎて利益が出ない…ということにならないよう、原価計算はしっかり行いましょう!
SNSで「つい投稿したくなる」仕掛けを作る
-
- 見た目のインパクトや、写真映えする盛り付け、飾り付けが鍵です。
- 専用のハッシュタグを作ったり、写真撮影用のスポットを用意するのも良いでしょう。
- 投稿してくれた方に特典を用意すれば、自然な形で情報が広まることが期待できます。
スタッフ全員が主役に!
-
- イベントの目的や意義を、スタッフ全員でしっかり共有しましょう。
- 準備や運営にスタッフがアイデアを出し合えるような雰囲気を作ると、やる気もアップします。
- 得意な分野ごとに役割分担をすれば、スムーズに進められます。
準備と当日の段取りはしっかりと
-
- 当日の進行スケジュールや役割分担を、細かく決めておくのがコツです。
- 新しいメニューの試作やリハーサルをしておけば、当日の混乱を防げます。
- 予想外のトラブルに備えた「もしもの対策」も忘れずに!
8-2. よくある失敗パターンとその対策
どんなに良いイベントでも、準備不足や見通しの甘さがあると失敗につながってしまいます。ここではよくある失敗と、その防ぎ方を紹介します。
失敗1:期待しすぎて材料を仕入れすぎた!
-
- SNSの反応が、そのまま来店者数につながるとは限りません。
- 過去の実績や予約状況から現実的な来店者数を予測し、仕入れは何度かに分けるのが良いでしょう。
- 予約制を取り入れると、必要な数量の予測が立てやすくなります。
失敗2:準備が足りず、当日バタバタ!
-
- 料理の提供に時間がかかったり、材料が足りなくなったり…というのはよくある失敗です。
- 新しいメニューは事前に試作し、提供にかかる時間も計っておきましょう。
- 準備リストを作って、役割分担とスケジュールを「見える化」するのが効果的です。
失敗3:「みんなに来てほしい」が裏目に…
-
- ターゲットが曖昧だと、どの層のお客さまにも響かないイベントになってしまいます。
- 誰に向けて開催するのかを明確にし、その人に「刺さる」内容・価格・雰囲気に絞ると効果的です。
失敗4:豪華にしすぎて赤字に…
-
- 話題性を意識して飾り付けや高級食材にお金をかけすぎると、利益が残らないこともあります。
- 費用の配分は「お客さまを呼び込むための商品(原価が高めでもOKなもの)」と「利益を確保するための商品」でバランスを取りましょう。
失敗5:告知が遅れて、誰も知らなかった!
-
- 告知はイベントの規模に応じて、十分な期間を確保しましょう。
- SNS、店内のPOP、チラシ、ダイレクトメールなど、複数の方法を組み合わせるのが良いでしょう。
- 告知開始 → 概要公開 → カウントダウン…と段階的に情報を発信していくと効果的です。
イベント前のチェックリスト(抜け漏れ防止に)
-
- □ 誰をターゲットにしたイベントか明確になっているか
- □ 来店者数の予測と仕入れ数に無理はないか
- □ スタッフの体制・準備・役割分担は万全か
- □ 告知は十分な期間と手段で行えているか
- □ SNSで投稿されやすい工夫があるか
- □ 想定されるトラブルへの備えはできているか
- □ 効果測定の方法(目標とする指標)は決まっているか
失敗は誰にでも起こり得ますが、しっかり準備し、見直しをすることで、その多くは防げます。大切なのは、失敗から学び、次回に活かすことです。イベントを繰り返しながら、より効果的な形に育てていきましょう。
次の章では、ここまでの内容をまとめ、イベント施策を売上アップにどうつなげていくかを整理していきます。
9. まとめ:イベント活用で飲食店経営をもっと元気に!
イベントの活用は、単にお客さまを呼び込む手段というだけでなく、お店の魅力を伝え、地域とのつながりを深める大切な経営戦略の一つです。この記事でご紹介してきた「期間限定フェア」や「地域イベントとの連携」は、うまく組み合わせることで大きな効果を生み出すことができます。
ここで、イベントを成功させるために大切なポイントを振り返ってみましょう。
目的と対象をはっきりさせる
「何のために、誰に向けてやるのか?」をはっきりさせることが、すべての始まりです。売上アップ、新しいお客さまの獲得、リピーターづくり、地域との関係づくりなど、目的によってイベントの内容も評価の仕方も変わってきます。
実現できることと収益性のバランスをとる
目立つ企画にしたいという気持ちは大切ですが、無理のある内容では長続きしません。話題性と収益性、その両方のバランスを考えて、続けていけるイベント運営を目指しましょう。
準備と柔軟な対応を大切にする
成功の裏には、丁寧な準備があります。スタッフとの情報共有、当日の段取り、万が一のトラブルへの対応も含めて、余裕を持った準備を心がけましょう。
終わった後のフォローも重要
イベント後に「ありがとうございました」と伝えるだけでも、また来てもらうきっかけになります。アンケートやお客さまのSNSの反応から改善点を見つけ、次のイベントに活かしていく流れを作りましょう。
地域の魅力とお店らしさをかけ合わせる
地元のお祭りや季節の行事と連携したイベントは、地域に根ざしたお店としての印象を強めます。ただし、そこにあなたのお店独自の“らしさ”を加えることで、より記憶に残るイベントになります。
すべてを一度に完璧にやろうとする必要はありません。まずは「やってみる」こと。小さなイベントから始めて、少しずつ規模や内容を育てていくのが成功への近道です。 例えば、「うちのお店の強みって何だろう?」「この地域ではどんなイベントが好まれるかな?」といった視点で、あなたのお店に合った企画を一つ考えてみましょう。そして、無理のない範囲で実行に移すことで、新たな気づきや手応えが得られるはずです。
地域に愛されるお店になるために、イベントという手段をうまく取り入れてみてください。「あのお店、いつも面白いことをしているな」とお客さまに思ってもらえるようになれば、売上だけでなく、お客さまとの信頼関係もきっと深まっていくでしょう。
10. 参考資料
- 地域イベント情報の入手先
- お住まいの市町村の観光課や商工課のウェブサイト
- 地域の観光協会やDMO(観光地域づくり法人)のカレンダー
- 商工会・商工会議所の会報や会員向け情報
- 地元の新聞や情報サイトのイベント欄
- 地域のSNSコミュニティやLINEグループ
- イベント企画に役立つツール・サービス
- 予約・顧客管理システム(CRMなど)
- SNS運用支援ツール(予約投稿・分析機能付きなど)
- チラシ・メニュー作成用のデザインテンプレートサービス
- アンケート作成&分析ツール(Googleフォームなど)
- イベント運営管理アプリ
- 業界団体・公的支援の情報源
- 日本フードサービス協会
- 全国飲食業生活衛生同業組合連合会
- 日本イベント産業振興協会
- 中小企業庁(飲食業向けの支援情報)
- 日本政策金融公庫(飲食業向けの融資制度など)
これらの情報やツールをうまく活用しながら、あなたのお店らしいイベントを少しずつ形にしていきましょう。
期間限定のフェアや地域イベントとのコラボは、お店の魅力を一気に広める絶好のチャンス。でも、「どんなイベントに出ればいいの?」「告知のやり方がわからない…」そんなお悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
TITAN(タイタン)では、そうしたお店の声に寄り添いながら、フェア企画のアドバイスや地域イベントとの連携企画をサポートしています。SNSやホームページを活用した告知方法もご相談OK!
✔ イベントを活用した新しい集客の流れをつくりたい
✔ フェアや地域との連動でお店をもっと知ってもらいたい
✔ 一時的な集客から、日常の来店につなげたい
そんな思いを一緒にカタチにしていきます✨
どんなことから始めればいいか、まずはお気軽にご相談ください!
詳しくはこちら ▶︎ https://service-titan-g.com/