最近では、SNSを活用した集客が飲食店にとって当たり前の時代になっています。中でもInstagramやTikTokは、写真や動画で料理の魅力をダイレクトに伝えられるため、特に相性の良いツールです。実際、日本の飲食店の8割近くがSNSを使っているとも言われています。
でも、「始めたけど使い方がわからない」「投稿してるけどお客さんが増えない」など、悩んでいるお店も多いようです。ただアカウントを作って投稿するだけでは、思うような効果は出にくいのが現実です。必要なのは、しっかりとした戦略と日々の地道な運用です。
この記事では、InstagramとTikTokを使って実際に集客に成功したお店の事例を紹介しながら、各SNSの特徴や効果的な使い方、続けるためのコツをわかりやすく解説します。これから始めたい方も、すでに運用中で効果を感じられていない方も、きっとヒントが見つかりますよ。新しいお客さんを呼び込み、リピーターを増やすためのSNS活用術、さっそく見ていきましょう!
目次
SNSマーケティングの基礎知識
飲食店がSNSを活用するメリット
SNSは、飲食店にとって“はじめやすく、伝わりやすい”マーケティングの手段です。
まず魅力なのは、コストを抑えて始められること。
アカウントの開設は無料、広告を出すにしてもテレビや雑誌に比べて費用がぐっと抑えられます。新しくお店を始めた方や、限られた予算の中で集客したい方にもぴったりです。
そしてもうひとつ大きな利点が、料理やお店の雰囲気を「見た目」でしっかり伝えられること。
SNSは写真や動画が主役なので、美味しそうな料理の写真や調理中の様子など、視覚で“食欲”や“期待感”を刺激できます。特にInstagramやTikTokなど、映像に強いツールは飲食店ととても相性が良いです。
さらに、SNSの「いいね」や「シェア」で投稿が広まりやすいのもポイント。
投稿を見たお客さまが自ら撮った写真をアップしてくれたり、感想をシェアしてくれたりすることも多く、いわゆる「クチコミ効果」が自然に生まれます(UGC=ユーザー生成コンテンツと呼ばれます)。
加えて、SNSは若い世代の集客にもとても効果的です。
たとえばTikTokでは10代〜20代前半、Instagramでは20代〜30代が多く利用しています。これまでなかなか情報を届けられなかった若い人たちにも、知ってもらうチャンスが広がります。
SNSを使うときに気をつけたいこと
SNSは便利な反面、いくつか注意点もあります。
まず多くのお店が悩むのが、続ける大変さです。
「始めたはいいけれど、忙しくて投稿が止まってしまった」という声も少なくありません。
毎日の営業と並行して投稿やお客様対応をするのは大変なので、無理のないスケジュールで進めることが大切です。
さらに、複数のSNSを使うと投稿内容の調整が必要です。
それぞれのSNSには特長があり、同じ投稿をそのまま載せるだけでは効果が出にくいことも。お店の規模やスタッフの人数に合わせて、どこまでやるかを事前に決めておくと安心です。
また、「炎上」のリスクも忘れてはいけません。
たとえば何気ない投稿が誤解を招いたり、不快に思う方がいたりすると、コメントが集中してしまうこともあります。
投稿前にしっかり内容を確認する、スタッフが複数でチェックするなど、リスクを減らす工夫をしておきましょう。
そしてもうひとつ大事なのが、振り返りと改善の仕組みを作ることです。
「なんとなく投稿している」状態だと、効果がわかりにくく、続けるモチベーションも下がりがち。
フォロワー数や投稿への反応(いいね・コメント)を見ながら、どんな投稿の反応が良かったのかを定期的に見直していくことが、成果につながるSNS運用のカギになります。
SNS炎上を防ぐためのチェックリスト
SNSは気軽に情報を発信できる反面、ちょっとした投稿が大きなトラブルにつながることもあります。
いわゆる「炎上」と呼ばれるような状態になると、お店の信用やイメージにも影響してしまいます。
そんな事態を未然に防ぐために、日ごろから以下のポイントを意識しておきましょう。
投稿前に確認したい7つのポイント
☑ 複数人で内容をチェックする仕組みがあるか
→ ひとりだけで投稿を決めず、スタッフ同士で確認するのが安心です。
☑ 政治・宗教などデリケートな話題は避けているか
→ どんな立場の人にも配慮を忘れずに。たとえ軽い気持ちの発言でも、大きな反感を買うことがあります。
☑ 他のお店や競合をけなしていないか
→ ライバルを下げるような表現は、見る人にとってあまり良い印象を与えません。
☑ 著作権や肖像権をちゃんと確認しているか
→ 写真や音楽、ロゴなどの使用にはルールがあります。知らないうちに違反してしまわないよう注意しましょう。
☑ お客様の顔や姿を載せる場合、許可をとっているか
→ 写真に写る方には、必ず「SNSに載せても大丈夫か」ひとこと確認を。
☑ 清潔感に配慮した写真を使っているか
→ 料理や厨房の写真などで、誤解を招きそうなものは避けたほうが安心です。
☑ トラブルが起きたときの対応方針をあらかじめ決めているか
→ 万が一に備えて、「どのように返答するか」「誰が対応するか」などをあらかじめチームで共有しておきましょう。
もし炎上してしまったら…
・感情的な返信は避けて、冷静に対応しましょう
・事実確認をした上で、誠実に謝罪や説明を行いましょう
・コメント欄での言い合いは避け、必要があればDMや電話など非公開の方法で対応を
お店の対応が誠実であれば、見ている人の印象も大きく変わります。
ミスをしても、しっかり向き合うことで逆に信頼が深まることもあるのです。
主なSNSの特徴と、飲食店での使い分け方
SNSマーケティングをうまく進めていくためには、各SNSの「特徴」と「得意なこと」を知っておくことが大切です。
ここでは、飲食店にとって相性のいい主要SNSを紹介し、それぞれどんな活用方法があるのかをわかりやすくご説明します。
Instagram(インスタグラム)
写真と動画で“魅せる”のが得意。ビジュアル重視のSNS。
Instagramは、20〜30代の女性を中心に多くのユーザーに支持されており、料理の写真やお店の雰囲気を伝えるのにぴったりのSNSです。
こんな投稿が効果的
- ・おすすめメニューや期間限定の一品
- ・明るくおしゃれな店内写真
- ・スタッフの笑顔や調理の様子
活用ポイント
- ・「インスタ映え」を意識した写真が大切。盛り付けや照明に一工夫を。
- ・ストーリーズは“本日の空席”や“今日だけのメニュー”など、タイムリーな情報に。
- ・リール動画では料理の断面や仕上げの瞬間など、“食欲をそそる動き”がよく見られます。
TikTok(ティックトック)
短い動画で“楽しさ”を伝えるのが得意。10〜20代に人気。
TikTokは、15秒〜1分ほどの短い動画で、楽しい・面白い・美味しそう!をパッと伝えられるSNSです。
こんな投稿が効果的
- ・チーズがとろける瞬間、肉がジュッと焼ける音など“食のライブ感”
- ・スタッフのちょっとユニークな一面
- ・店主のこだわりが伝わる調理の裏側
活用ポイント
- ・BGMやエフェクトをうまく使って“ノリのよさ”を出す
- ・トレンドのハッシュタグや人気の音源に乗ると拡散されやすい
- ・フォロワーが少なくてもバズるチャンスあり!
X(旧Twitter)
文字と画像で“すぐに伝える”のが得意。速報向け。
Xはリアルタイムの情報発信に向いており、気軽に投稿できるのが魅力です。
こんな投稿が効果的
- ・今日の空席状況やキャンセル情報
- ・新メニューの告知や入荷情報
- ・天候やイベントに合わせたお知らせ
活用ポイント
- ・「速報性」や「リアルな声」が伝わりやすい
- ・ユーザーのリポスト(旧リツイート)で拡散力も大
- ・カジュアルな言葉づかいで親しみやすさを演出
Facebook(フェイスブック)
情報量の多い投稿や、地域密着の発信に強いSNS。
30〜50代を中心に、地元の情報を探すツールとして使われています。
家族連れや落ち着いた層に響く発信にぴったり。
活用ポイント
- ・店舗ページに営業時間、地図、メニューなどをしっかり掲載
- ・地域のグループ(例:●●市の飲食情報)に投稿して認知度UP
- ・クーポン配布やイベント告知にも便利
LINE公式アカウント
“常連さんとの関係づくり”に最適。ダイレクトな通知が届く。
LINEは、登録してくれたお客様に直接お知らせが届くため、リピーターづくりにとても向いています。
活用ポイント
- ・お得なクーポンや、空席状況の配信
- ・予約フォームへの誘導
- ・限定メニューやイベントの先行案内など“特別感”の演出
※ただし、配信が多すぎるとブロックされてしまうことも。頻度とタイミングには注意しましょう。
SNSは「全部やる」必要なし!
すべてのSNSをフル活用しようとすると、更新作業が大変になり、逆に続かなくなることも。
まずは、自分のお店に合ったSNSを1〜2つに絞って、無理のない範囲で始めるのがおすすめです。
たとえば…
- 見た目にこだわった料理や内装がウリなら → Instagram
- 若い世代に広めたい&動画に抵抗がなければ → TikTok
- 常連さんと直接つながりたい → LINE公式アカウント
このように、目的やお客様の層に合わせて選ぶと、運用しやすくなりますよ。
効果的なSNSマーケティング戦略
飲食店SNS成功の5つのポイント
SNSを活用して集客につなげるには、思いつきの投稿を繰り返すだけではなかなか結果は出ません。ここでは、飲食店がSNSでファンを増やし、実際の来店へとつなげるために大切な5つのポイントをご紹介します。
① 投稿内容と頻度のバランスを整える
「何を、いつ投稿するか」はとても大事なポイントです。
例えば、18時〜21時ごろは、仕事終わりの人がスマホを見やすい時間帯。このタイミングでおいしそうな料理の写真や動画を投稿すると、「今日の晩ごはん、ここにしようかな」と思ってもらいやすくなります。
また、投稿の頻度は多すぎても少なすぎてもよくありません。
たとえばInstagramなら週2〜3回、TikTokなら週1〜2回のペースを目安に、“ムリなく続けられる頻度”でコツコツと更新するのが理想です。
投稿内容も「料理写真ばかり」だと飽きられてしまうので、以下のようにバランスよく組み合わせてみましょう。
- おすすめ料理・限定メニュー
- スタッフやシェフの紹介
- お客様の声(許可を得て)
- 食材の仕入れやこだわりポイント
スタッフの様子やお店の裏話など、人が見える(人間味が伝わる)投稿は、より親しみを持ってもらえるのでおすすめです。
② フォロワーとの交流を大切にする
SNSは「一方通行の広告」ではなく、「お客様との会話の場」です。
コメントやDMにはなるべく早く返信をし、気持ちのこもったリアクションを心がけましょう。「いいね」やシェアなどのアクションに対しても、さりげないお礼のコメントを返すだけで、お店に親しみを持ってもらえます。
また、来店されたお客様が投稿してくれた写真や動画を、許可を取った上でリポストするのも効果的です。お客様の目線で紹介された内容には、自然な信頼感があります。
さらに、投稿してもらいやすいように「写真映えする席」や「オリジナルのハッシュタグ」を用意するのも良いアイデアです。
③ インフルエンサーとの上手な付き合い方
信頼できるインフルエンサーとコラボすると、お店の知名度や集客が一気に伸びることがあります。
選ぶときは、フォロワー数だけでなく「投稿の雰囲気」や「地域とのつながり」もチェック。たとえば、地元でよく知られているインフルエンサーなら、来店に直結しやすいです。
招待して実際に食べてもらい、その体験を投稿してもらうのが一般的ですが、「あまり宣伝っぽくない自然な投稿」になるようにお願いするのがポイント。
コラボ後は、投稿の反応や来店数の変化も振り返って、次に活かせるようにしましょう。
④ お店らしい世界観を大切に
SNS上でも、お店の「らしさ」はとても大切です。
写真のトーンや構図、使う言葉の雰囲気などを統一していくと、「あ、この投稿はあのお店だな」と覚えてもらいやすくなります。
たとえば…
- ・高級感のある和食店なら → 落ち着いた写真と丁寧な言葉づかい
- ・家族連れが多いお店なら → 明るく親しみやすいトーン
また、「お店を始めたきっかけ」や「料理への想い」など、背景にあるストーリーを時々発信するのもおすすめです。人柄やこだわりが伝わると、お店のファンになってくれる人が増えていきます。
⑤ 効果測定と見直しで“育てる運用”を
SNSは「育てていくもの」。投稿した内容がどれだけ反応を得たかを見ながら、少しずつ軌道修正していくことが大切です。
見直しのポイントはこんなところ
- ・フォロワー数の増減
- ・投稿ごとのいいね数、保存数、コメント数
- ・ストーリーズの閲覧完了率
- ・クーポンの使用回数や、来店理由のアンケート結果
「どの投稿が反応よかったか?」「どの時間に投稿したか?」「写真の雰囲気はどうだったか?」などを月1回くらい見直し、次の投稿に活かしていきましょう。
Instagramを活用した飲食店の成功事例3選
Instagramは、写真や動画で料理の魅力をダイレクトに伝えられる強力なツールです。ここでは、Instagramを上手に活用して、集客につなげた飲食店の事例を3つご紹介します。
①焼肉きんぐ|統一感のある“魅せ方”でブランド力アップ
全国展開している焼肉チェーン「焼肉きんぐ」では、Instagramの投稿ひとつひとつに世界観を持たせる運用を行っており、業界内でも注目されています。
投稿全体をパッと見たときの“統一感”を意識し、色味や構図を揃えているのがポイント。アカウントを開いただけで「これは焼肉きんぐの投稿だ」とわかるような雰囲気作りができています。
プロカメラマンが撮影した料理の写真に加え、スタッフの笑顔や厨房の様子など、日常の風景もバランスよく投稿。おいしさと親しみやすさの両方が伝わる工夫が光ります。
また、リール動画ではお肉がジュワッと焼ける音や、チーズがとろける様子など“食欲をそそる瞬間”を短くまとめて配信。視聴者の心をつかみ、反応アップにもつながっています。
その結果、Instagramのフォロワー数は1年で約4万人増加。業界平均の約1.5倍という高いエンゲージメント率を記録し、ユーザーからの自発的な投稿(メンション)も増え続けています。
②個人経営のイタリアン|“日常を伝える”ストーリーズ活用術
都内にある小さなイタリアンレストランでは、「ストーリーズ」機能を中心とした運用で、大きな集客効果を生み出しています。
毎日5回以上、仕込みの様子、新鮮な食材の入荷、シェフの調理風景などを短い動画で配信。24時間で消える“気軽さ”を活かしながら、店舗の日常をリアルタイムで発信しています。
特にシェフ自ら登場して、料理へのこだわりや食材選びについて語るストーリーズは人気コンテンツに。お店の想いが伝わりやすく、お客さまとの距離感がぐっと縮まります。
「本日の空席情報」や「限定メニュー」のお知らせもストーリーズで発信し、実際の予約や来店にもしっかりつながっています。
この取り組みによって、月商は開始時の約100万円から、半年後には約400万円にまで伸びました。「ストーリーズを見て来ました」というお客さまも増え、視聴完了率は60%を超える日もあるほどです。
③Shake Shack|“目を引くビジュアル”で世界中にファンを獲得
ニューヨーク発のハンバーガーチェーン「Shake Shack」は、世界中でInstagramを活用したブランド発信に力を入れています。
ポイントは、“思わず二度見したくなる”ようなインパクトのある写真づくり。チーズがとろける瞬間や、断面がきれいに見えるバーガーのカットなど、食欲に直球で訴える見た目を徹底しています。
また、「#ShackFan」というオリジナルのハッシュタグを設け、投稿を通じてユーザーとのつながりを強化。優れた投稿を公式アカウントで紹介するなど、ファンが自然と参加したくなる流れを作っています。
国ごとにアカウントを分け、ローカルな話題も織り交ぜながら発信しているのも特徴。グローバルブランドでありながら“地元に寄り添う姿勢”が親しみを生んでいます。
その結果、Instagramのフォロワー数は世界で150万人以上。新店オープンの際には事前告知だけで行列ができるなど、SNSが店舗集客に大きく貢献しています。
TikTokを活用した飲食店集客の成功事例3選
今では多くの若い世代が日常的に使っているTikTok。動画で料理の魅力を伝えられるこのSNSは、飲食店との相性がとても良いツールです。ここでは、TikTokを上手に使ってお店のファンを増やした3つの事例をご紹介します。
① 焼肉きんぐ|スタッフが考えた“裏メニュー”で大反響
焼肉チェーンの「焼肉きんぐ」は、InstagramだけでなくTikTokでも注目を集めています。人気の理由は、スタッフが考案した“裏メニュー”やちょっとしたアレンジを動画で紹介しているところ。15〜30秒ほどの短い動画で、「チーズ×キムチの絶品焼き方」や「ご飯が進むカルビの裏技」などをわかりやすく紹介しています。
このシリーズが多くの人の心をつかんだ理由は、働く人の顔が見える安心感と、思わず真似したくなる手軽さ。スマホで撮影した親しみやすい映像に、流行りの音楽やテロップを合わせて、視聴者が楽しく見られる工夫もたっぷりです。
その結果、アカウント開設からわずか半年でフォロワー数は10万人を突破。特に再生回数が100万回を超えた“裏メニュー”動画には、「今度これ食べに行きます!」というコメントが続出しました。
さらに、「TikTokで見たメニューを食べに来ました」という若いお客様も増え、来店数は前年比でおよそ30%アップ。SNS発の話題が、しっかりと実際の集客にもつながっている好例です。
② 松屋|“まさかの一面”を見せて若い世代の心をつかむ
牛丼チェーンの松屋は、これまでTwitterでは主に新メニューやキャンペーン情報を投稿していましたが、TikTokではまったく違う“遊び心”たっぷりの運用に挑戦しています。
たとえば、オリジナルの松屋Tシャツを着たスタッフがTikTokの流行曲に合わせて踊ってみたり、「牛丼を逆さにしてもこぼれないか?」といったユニークなチャレンジ動画を投稿したりと、今までの“真面目な牛丼屋”とはひと味違うイメージで発信をしています。
この戦略がハマったのが、10〜20代の若い女性たち。動画のユニークさや意外性が注目され、「あの松屋がこんなことしてるの!?」と話題になり、TikTokのフォロワーは1年で20万人を突破しました。
さらに、「TikTokで見て気になって来ました!」というお客様が増え、特に女性の来店比率が約15%もアップ。SNSごとに発信スタイルを変えることで、新しい層にしっかりアピールできた事例です。
③ 地方のラーメン店|“地元愛”を軸にTikTokで話題に
ある地方都市の小さなラーメン店(スタッフわずか3人)が、地元密着型のTikTok活用で大きな成果を出しています。
このお店の動画は、地元のイベントや季節の風景を背景に、「今日の限定ラーメン」や「地元野菜を使った一杯」など、地域ならではの魅力を発信しているのが特徴です。また、スマホで手作り感のある動画を撮影しているのも親近感の理由のひとつ。
中でも人気だったのが、「地元高校の試合を応援する限定メニュー」や「地元の名産品を使ったラーメン」など、地元の人たちが思わず応援したくなるような投稿たち。地域の方々や地元インフルエンサーとのコラボ動画も話題になり、フォロワー数は1年足らずで約2万人に。
毎月開催している「月イチ限定ラーメン」は、TikTokで紹介した直後に完売するほどの人気。来店客の約4割が「TikTokを見て来ました」と答えたとのことで、ローカルならではの温かさと工夫が光る成功例です。
実践的なSNS運用ステップガイド
飲食店SNSマーケティングのはじめ方・続け方
SNSを使って集客を増やしたい。でも「どこから手をつけたらいいかわからない」「続けられるか不安」という方も多いのではないでしょうか。
ここでは、飲食店がSNSをうまく活用するための基本ステップをご紹介します。難しいことはありません。小さな一歩から、着実に続けていくことが何より大切です。
1. アカウントを整えることからスタート
まずは、お店のSNSアカウントをしっかり整えるところから始めましょう。
- ・プロフィールには、店名・住所・営業時間・定休日・予約方法などの基本情報をわかりやすく記載。
- ・ビジネスアカウントに切り替えることで、電話ボタンや地図表示などの機能が使えるようになります。
- ・アイコン画像はお店のロゴや外観など、ひと目で「あのお店だ」とわかるものがおすすめです。
また、Instagramの場合はハイライト機能を使って、「メニュー」「アクセス」「予約方法」などをまとめておくと、初めて見る方にも親切です。
2. 投稿カレンダーをつくって計画的に
「今日は何を投稿しよう…」と悩まないために、あらかじめ投稿スケジュールを決めておくのがおすすめです。
たとえば、以下のような内容をカレンダーにまとめておくと、運用がグッと楽になります。
- ・投稿する日付・時間帯
- ・投稿する内容のテーマ(おすすめ料理、スタッフ紹介、季節限定など)
- ・使用する写真や動画の内容
- ・つけるハッシュタグ
- ・投稿するSNSの種類(InstagramかTikTokか、など)
週1〜2回でも大丈夫。無理なく続けられるペースを決めるのが成功のコツです。
3. 誰が何を担当するか決めておく
SNSは続けることが大事。でも、忙しい営業の合間に全部1人でやるのはなかなか大変ですよね。
そこでおすすめなのが、「投稿担当」「写真・動画担当」「コメント返信担当」など、チームで役割を分けること。小さなお店では1人が複数の役割を兼ねることも多いですが、意識的に役割を分けることで、抜け漏れを防げます。
また、スタッフ全員に「SNSで使えそうな瞬間があったら写真を撮って共有してね」とお願いしておくと、自然と素材が集まってきますよ。
4. 写真・動画をキレイに撮るコツ
スマホで撮るだけでも、ちょっとした工夫でぐっと映える写真・動画になります。
- ・自然光を使うと料理がキレイに見えます。逆光は避けましょう。
- ・料理は真上からだけでなく、横から撮ると立体感が出ます。
- ・背景がごちゃごちゃしないように整理するだけでも印象アップ。
- ・動画では、ソースをかける瞬間や湯気が立ちのぼる瞬間など「動きのあるシーン」が人気です。
編集アプリも、無料で使えるものがたくさんあります。
おすすめ無料編集アプリ5選
アプリ名 | 特徴 |
Snapseed | 写真の明るさや色味の調整がしやすい |
VSCO | フィルターが豊富で統一感を出しやすい |
CapCut | TikTok向け。動画編集初心者にもやさしい |
InShot | 動画の文字入れや音楽追加が直感的にできる |
Canva | ストーリーズ画像やメニュー紹介画像のデザインに便利 |
5. フォロワーを少しずつ増やす工夫
SNSを始めたばかりの頃は、なかなか見てもらえず不安になりますが、コツコツと育てていくことが大切です。
- ・店内のポップやレジ横に「フォローお願いします」の一言を添える
- ・地域の他のお店と相互フォローしてつながる
- ・「フォロー&いいねで特典」など、ちょっとしたキャンペーンを開催
- ・地域名の入ったハッシュタグを使って、近くのユーザーに見つけてもらう
まずは常連さんや近隣の方に知ってもらうところから始めましょう。
SNSマーケティングの未来トレンド
飲食店SNS活用、これから注目の流れ
SNSの世界は日々変化しています。今はうまくいっていても、数か月後にはトレンドがガラッと変わっていることも。
これからのSNSマーケティングを見据えるうえで、飲食店として知っておきたい注目の動きをご紹介します。
AIの活用で、SNS運用がもっとラクに
最近では、SNSの投稿をAIがサポートしてくれるツールが増えてきました。
- ・投稿のスケジュールを自動で組んでくれる
- ・ハッシュタグを提案してくれる
- ・写真の明るさや構図を整えてくれる
こうした機能を活用することで、SNSにかける手間をグッと減らせます。特にスタッフ数が限られているお店には心強い味方です。
また、コメントへの初期返信やよくある質問(予約方法など)に自動で対応してくれるチャット機能も増えてきています。とはいえ、すべて機械任せにするのではなく、「最後は人の温かさで対応する」ことが、お客様との信頼につながります。
ショート動画の重要性はこれからも続く
TikTokやInstagramのリール、YouTubeのショート動画など、15〜60秒の短い動画が、これからもSNSの中心になっていきます。
飲食店にとっては
- ・肉が焼ける「ジュッ」という音
- ・パスタを巻き上げるシーン
- ・デザートの断面からとろけ出すソース
など、“音と動き”のある瞬間が、動画映えしやすく、見た人の「食べたい!」気持ちを引き出してくれます。
ちょっとした工夫で、写真よりも伝わるものがある。だからこそ、ショート動画は今後も大切な表現手段です。
ARやVRで、ちょっと未来っぽい演出も
最近では、AR(拡張現実)やVR(仮想現実)とSNSを組み合わせた新しい体験も注目されています。
- ・インスタで「お店オリジナルのフィルター」を使って写真が撮れる
- ・メニューを読み込むと、料理が3Dで動く
- ・VRで店内をバーチャル見学できる
こんな仕掛けがあると、お客様に楽しんでもらえるだけでなく、「面白いお店だった」と印象にも残ります。
特に外国からのお客様にとっては、言葉がわからなくても“見てわかる”体験ができるので、インバウンド対策としても効果的です。
お客様一人ひとりに合った発信へ
これからは、ただ投稿するだけではなく、「誰に向けて」「どんな投稿をするか」がもっと大切になります。
- ・スイーツの投稿が好きな人
- ・夜の営業に興味がある人
・家族で食事をしたい人
こうした“お客様ごとの興味”に合わせた発信ができるようになると、さらに来店につながりやすくなります。
また、スマホの位置情報と連動して、「今この近くにいる人」にタイムリーに情報を届けるといった、“近さ”を活かした発信も進化していくでしょう。
もちろん、個人情報やプライバシーへの配慮は大前提。でも、きちんとルールを守ったうえで「必要な人に、必要な情報を届ける」ことが、これからのSNS活用のポイントです。
最後に:どんな時代でも、SNSは“人”が伝えるもの
技術が進化しても、最終的に伝わるのは人の気持ちや温度感です。
・お客様への想い
・料理へのこだわり
・「ありがとう」の気持ち
そうした想いを、SNSというツールを使って「どう届けるか」を考えることが、何よりも大切です。
便利な機能やトレンドも、あくまでサポート役。お店の魅力は、いつの時代も“人の手と心”でつくられるものです。
まとめ
SNSを上手に活用して、あなたのお店にもっとファンを
ここまで、InstagramやTikTokを中心に、SNSを活用して集客に成功している飲食店の事例や、実践的なポイントをご紹介してきました。
SNSで成果を出すためには、「ただ投稿するだけ」ではなく、目的やターゲットを意識した戦略的な運用がとても大切です。
成功のカギになる5つの視点
- 見た人の心を動かす投稿内容とタイミング
→ 写真や動画は“食べたい”気持ちを引き出せるかがポイント。 - お客様とのやりとりを大切にする姿勢
→ コメントやDMへの返信で、信頼や親近感が深まります。 - インフルエンサーやお客様との“つながり”の活用
→ 自然な口コミの力で、お店の魅力が広がります。 - お店の世界観に合ったSNSの雰囲気づくり
→ 写真の色味や言葉遣いも含めて、“らしさ”を伝えましょう。 - ちゃんと振り返って、改善を重ねていくこと
→ 数値を見ながら「うまくいったこと・そうでなかったこと」を整理して、次につなげていくことが大切です。
無理なく、でも着実に続けていくことが大切です
SNSは、始めたからといってすぐに結果が出るものではありません。
大切なのは、焦らずコツコツと続けていくこと。半年~1年ほど継続することで、少しずつ効果が出てくるお店がほとんどです。
最初は週1回の投稿からでも大丈夫です。
「どんなお客様に来てほしいか」を考えながら、無理のないペースで進めていきましょう。
SNSは“伝える手段”であって、目的ではありません
SNSで大事なのは、バズることやフォロワー数を増やすことではなく、
「お店の魅力を伝えて、来てくださったお客様に満足してもらうこと」です。
・心を込めて作った料理
・丁寧にお迎えするサービス
・お店ならではのあたたかい空気
そうした魅力がSNSを通じてきちんと伝わったとき、お客様は「行ってみたい」と感じてくれます。
SNSは、そのきっかけを作るための手段。
オンラインとオフラインをつなぐ、橋渡しのような存在です。
最後に:今日が、小さな一歩のきっかけになりますように
「投稿しても反応が少ない」「何を載せればいいのかわからない」——
そんな悩みを持つ方も、この記事を読んで「やってみようかな」と思っていただけたら嬉しいです。
まずは、料理の写真を1枚撮って、ひとこと添えて投稿してみましょう。
その一歩が、お店にとっての大きな前進につながります。
SNS運用にお悩みなら、TITAN(タイタン)にご相談ください
ここまでお読みいただきありがとうございました。
「SNSで集客したいけれど、
時間がない…」「何を投稿すればいいかわからない…」
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たとえば、こんなお手伝いができます
- 魅力が伝わる写真や動画の撮影、投稿文の作成
- インフルエンサーとのコラボや、話題になる企画のご提案
- Instagram・TikTok・Googleマップ・ホームページの連携強化
- 投稿タイミングやハッシュタグなど、成果に直結するアドバイス
- 「フォロワーが増えた」「来店数が伸びた」と実感できる運用支援
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