春秋ユラリ 恵比寿 × TITAN 特別対談

【恵比寿対談】『新和食』と心地よい空間が生む引力。「春秋ユラリ 恵比寿」野口様に聞く、また来たくなるお店の秘密

野口様

TITAN編集部:
本日は、恵比寿駅西口から徒歩2分という好立地にありながら、都会の喧騒を忘れさせてくれるような洗練された空間で、『新和食』を提供されている「春秋ユラリ 恵比寿」さんにお邪魔しています。今回は、お店を率いる野口昌弘(のぐち まさひろ)様に、その魅力の源泉について詳しくお話を伺いたいと思います。野口様、どうぞよろしくお願いいたします。
野口様:
よろしくお願いいたします。

コンセプトは「新和食」- 素材を活かし、驚きを添えて

TITAN編集部:
まず、春秋ユラリさんが掲げる『新和食』とは、どのようなお料理なのでしょうか?
野口様:
基本は、素材そのものの力を最大限に活かす、という考え方です。旬の野菜やお魚など、その時期に一番美味しいものを使い、和食の技法をベースにしつつ、時にはフレンチやイタリアンのエッセンスも取り入れてアレンジしています。
TITAN編集部:
ただの和食ではない、ということですね。
野口様:
そうですね。例えば旬の食材を、ただシンプルに提供するだけでなく、ちょっとした驚きや、家ではなかなか作れないような、でもどこか親しみやすい、そんな一皿を目指しています。「外で食事をするなら、家では味わえないものを」と考える方は多いと思うんです。和食のしっかりとした軸がありながら、様々なアプローチを取り入れることで、何度来ていただいても飽きない、週に一度でも来たくなるような料理を提供したいと考えています。
TITAN編集部:
メニュー作りで工夫されている点はありますか?
野口様:
キッチンスタッフの体制もその一つです。同じポジションをずっと同じ人が担当するのではなく、4ヶ月ごとくらいで担当を変えています。そうすることで、例えば同じ焼き物でも、担当する料理人の個性によって、味わいや盛り付けに変化が生まれるんです。お客様にとっては、来るたびに新しい発見があるかもしれません。

デザイナーが生んだ「飽きさせない空間」

春秋ユラリ店内の様子

TITAN編集部:
お料理もさることながら、この空間も非常に印象的です。とても落ち着きますし、席によって雰囲気が違うように感じます。
野口様:
ありがとうございます。実は、春秋グループのオーナーは元々インテリアデザイナーなんです。ですので、空間づくりには非常にこだわりがあります。ここ恵比寿店は、以前ボウリング場だった跡地に建てられたビルの一部を改装しているんですよ。
TITAN編集部:
えっ、ここがボウリング場だったんですか!
野口様:
そうなんです(笑)。その広い空間を活かして、『木漏れ日』と『波紋』という二つのコンセプトを持つエリアを作りました。壁のデザインなどもよく見ると、場所によって全然違うんです。どの席に座っていただいても、その時々で異なる雰囲気を感じていただける、何度訪れても飽きない空間を目指しています。接待に便利な個室もご用意しています。
TITAN編集部:
なるほど、空間自体がおもてなしの一部になっているのですね。お料理だけでなく、この雰囲気もお店の大きな魅力だと感じます。

大切なのは「心地よい距離感」と「チームワーク」

TITAN編集部:
お料理、空間と伺ってきましたが、接客面で大切にされていることは何でしょうか?
野口様:
お客様に「今日、楽しかったな」と感じていただくだけでなく、「また来たいな」「来週も来ようかな」と思っていただけるような空気作りを心がけています。
TITAN編集部:
スタッフの方への教育はどのように?
野口様:
昔ながらのトップダウンで教える、というよりは、一緒に学んでいく、というスタンスを大切にしていますね。基本的なことはもちろん教えますが、画一的なマニュアルで縛るのではなく、スタッフ一人ひとりの個性や考え方を尊重したいと思っています。お客様との接し方も、「こうした方がもっと喜んでいただけるかな」と、スタッフ自身が考えて、色々なアプローチを試せるように。もちろん、お店として大切にしているラインはありますが、その範囲内であれば、それぞれのやり方があって良いと考えています。
TITAN編集部:
風通しの良い雰囲気を感じます。
野口様:
そうありたいと思っています。ホールスタッフとキッチンスタッフの関係も同じで、お互いに意見を言いやすい、フラットな関係を築くことを意識しています。お客様から「この料理、すごく美味しかったから、作った方に伝えてください」といったお声をいただくことが増えているのですが、これはホールとキッチンの間で良いコミュニケーションが取れている証拠かな、と嬉しく思っています。
TITAN編集部:
お客様の声が、キッチンの方のモチベーションにも繋がっているのですね。
野口様:
まさしくそうです。お客様が料理を美味しいと感じて、その声がホールを通じてキッチンに届く。それを受けてキッチンが「もっと良いものを作ろう」と意欲的になり、それがまたお客様の満足に繋がる。この良い循環が、お店全体の心地よい雰囲気を作っていくのだと思います。ホールは、その潤滑油のような役割ですね。

お店の強みと、目指す未来

対談の様子

TITAN編集部:
これまでのお話の中に、お店の強みが凝縮されているように感じますが、改めて言葉にすると、春秋ユラリ恵比寿さんの強みは何でしょうか?
野口様:
やはり、「また来たい」と思っていただける総合的なバランスでしょうか。美味しいお料理はもちろんですが、心地よい空間、そしてスタッフの接客。そのすべてがうまく調和して、「良い時間だったな」と感じていただけること。それが一番の強みだと思っています。
TITAN編集部:
今後、お店として目指していきたいビジョンはありますか?
野口様:
究極的には、「関わる人みんなが楽しめるお店」でありたいですね。お客様はもちろん、キッチンもホールも、誰もがストレスなく、安心して過ごせる場所。忙しすぎると、どうしてもお店の空気はピリピリしてしまいがちですが、そうならないように、スタッフ間の連携やお客様との距離感を大切にしていきたいです。
TITAN編集部:
人が変わればお店の雰囲気も変わる、ともおっしゃっていましたね。
野口様:
ええ。だからこそ、今私たちが大切にしているこの想いや空間の良さを、今後もずっと繋いでいけるように努力していきたいです。人がお店を作る、ということを忘れずにいたいですね。
TITAN編集部:
お話を伺って、お料理、空間、そして「人」が三位一体となって、春秋ユラリさんの魅力を作り上げているのだと強く感じました。本日は貴重なお話をありがとうございました。
野口様:
こちらこそ、ありがとうございました。恵比寿にお越しの際は、ぜひお気軽にお立ち寄りください。ランチタイムは気軽に楽しめるお膳やコースを、ディナータイムは接待や記念日など、様々なシーンでご利用いただけるコースをご用意しております。ネット予約も可能ですので、ぜひウェブサイトもご覧いただければ幸いです。

取材後記

恵比寿駅からすぐというアクセスながら、一歩足を踏み入れると別世界のような落ち着いた空間が広がる「春秋ユラリ 恵比寿」。野口様の言葉の端々から、料理への真摯な姿勢、空間への愛情、そして何よりスタッフとお客様を大切にする温かい想いが伝わってきました。「また来たい」と思わせる引力は、こうした一つ一つのこだわりと、関わる人々の想いによって生まれているのでしょう。特別な日はもちろん、日常の中に少し贅沢な時間を取り入れたい時にも、訪れたい一軒です。

野口様インタビュー風景

春秋ユラリ 恵比寿

東京都渋谷区恵比寿南1丁目7−8 恵比寿サウスワン B1F

TEL:03-5725-7970

アクセス:JR恵比寿駅 西口より徒歩2分

公式サイト:https://shunju.com/yurari

 

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